Kindle ショック インタークラウド時代の夜明け by 境真良
[UP:2010.08.02]
最近は「クラウド」という言葉が流行である。クラウドの概念自体はずいぶん前から「Webアプリケーション」とか「ASPサービス」とかいう言葉で言われてきたものだから、特に新しい概念ではない。
しかし、通信環境やハードウェア価格の低下、ユビキタスへの要望などの時代背景から、昨今ようやく現実に「クラウド」が見えてきた、と言っても過言ではない。
それを私たちに具体的に見せてくれたのが、Amazonが発売したKindle(キンドル:電子書籍リーダー)、アップルが出したiPadである。
この本のタイトルは「Kindleショック」となっているが、KindleやiPadの台頭を通して「クラウドとは何か、そして今後はどうなっていくのか」を書いた本である。
・出版:ソフトバンク新書
・初版:2010年5月
・価格:730円+税
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■目次抜粋
第1章:キンドルの出版革命
第2章:「デバイス」がインターネットの常識を変える
第3章:デバイス=クラウド生態系
第4章:フリー文化の終焉
第5章:ポストグーグルの再革命に向けて
この本は発売直後に買った(5月)。でも、読み終えるのに多少の時間がかかった。もちろん、その間、仕事が忙しくて中断したということもある。
しかし、仕事そっちのけで一気に読み終わるという本ではなかった。
なぜか・・・・著者の言いたいことは本当にわかるし、ものすごくいいところを突いていて、目からウロコなことも多くあるのだが、いかんせん、文章が大変わかりにくくて、難しかった。
行きつ、戻りつしながら、かみしめながら読んだ、という感じ。
そんな難解な(?)本書をこのブログで紹介しようと思ったのは、やはり、著者の考えに同意するところが多かったからである。わかりにくいけど、読み応えのある本なのである。
それと、もう1つの注意点。
タイトルから受けるイメージと本書の内容が一致していないのである。
本書を通して言えることだが「キンドルって何だろう?」と思って買った人は予想外れになるだろう。
キンドルがらみの第1章でさえ、キンドルの紹介というより、アマゾンのビジネスモデル構築について焦点をあてている。(私はそっちのほうが面白かったけれども)
私が特に面白いなと思ったのは、
キンドルやiPadなどがもたらす「デバイス=クラウド生態系」(ネーミングは著者)が、
「純インターネット系」(パソコンを使ったネット利用)に対して、
反旗を翻しながらも2つが共存していく未来像である。
それを「フリーミアム」とからめて語っている着眼点に妙に納得。
純インターネット系で、現在、たどり着いてしまった「フリーの世界」。
これが良いか悪いかは、賛否両論。特に経済にとっては悪い面が顔をのぞかせる。
その部分を、デバイスが補完するとしたら・・・
iPadは単なる「オシャレで薄いネットブック」ではなく、画期的なツールということだ。
iPadは持っていないが、iPhoneユーザーの私としては、この部分の著者の意見には大いにうなづくことができる。iPhoneも「オシャレで多機能な携帯電話」という括りでは語れない。
iPhoneの後ろにある、アップルのビジネスモデルや未来像をひしひしと感じるからだ。
著者が言う「Kindleショック」とは、電子書籍リーダーの登場におけるショックではない。
今まで進化してきたインターネットの使い方そのもの、存在そのものが変わっていくのではないかという実感。
そのショックのことを指している。
ツイッター、ユーストリームなどの普及で、インターネットはまさに、ソーシャルメディアの時代に入っている。
その後押しもあり、著者が描く未来像が具現化する日は近いのではないか、と思わせる。
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明治大学卒業後、27歳でヒロテックを起業。パソコン畑一筋。
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