経済は感情で動く by マッテオ・モッテルリーニ
[UP:2008.07.16]
茂木健一郎氏のクオリア説に代表されるように、最近、人間の感情にスポットをあてた取り組みが多く、大変注目している。今回の本は、私が愛読しているブログ、活かす読書で紹介されていたので読んでみた。
オビには「心の法則があなたのビジネスを面白くする!」と書かれていたが、本書は消費者の視点から書かれていており、ビジネスをやる側の視点ではなかったのが少し残念だったが、もちろん、ビジネス上でも参考になる点が数多い。問題形式で論証が進んでいくので、心理学テストのように読み進めることができる。
・紀伊國屋書店
・2008年4月初版
・定価:1600円+税(316ページ)
amazon.co.jpで見る
◆目次抜粋
・日常の中の非合理
・自分自身を知れ
・判断するのは感情か理性か
==============================
迷いと葛藤は「選択」を遅らせるか、
「選択しない」という結果をもたらす
==============================
問題
1. 人気のソニー製MP3プレーヤーがバーゲンで16,000円とかなり安い。どうする?
A.ソニー製を買う
B.他のも調べてみる
2. 今度はソニー以外にサムスンの上位モデルが26,000円で買える、これもかなり安い。どうする?
A.ソニー製を買う
B.他のも調べてみる
C.サムスンを買う
最初の質問ではBを選んだ人は3分の1だったが、次の質問ではBを選択した人は2分の1に増加。
ネット社会は情報過多で選択肢はものすごく多い。ってことは逆に購買意欲を損なっているのか?
ただ、同じ状況でも
「友達がソニー製をもっていてほめていた」
と追加されれば、Aを選ぶ人がぐんと増えそうだ。ここら辺の調査も見てみたい。
==============================
保有効果
自分のものになっただけで価値は倍増する
==============================
実験
2つのグループにわけ、1方だけに大学のロゴ入りカップをプレゼントした。
A.カップをもらったグループはお金をいくらもらったら手放す気になるか
B.カップをもらわないグループは手に入れるのにいくら出す気になるか
結果はAが5.25ドル、Bが2.75ドル。
何か(たいしたものではなくても)の所有者になったというだけで、そのものの価値が2倍以上にも跳ね上がる。「試しに」といってお客に商品をしばらく預けておくと、この「保有効果」により、手放す気になりづらい。
==============================
数字を情緒で判断する
==============================
問題
赤玉が出たら1万円もらえるくじ引きがある。2つの箱のうち、どちらを選んで引く?
A.10個につき1個の赤玉が入っている箱
B.100個につき8個の赤玉が入っている箱
確率からいうとAがもちろん、いい。でも少なからぬ人がBを選ぶとか。
本書ではこのように「非合理」な考え方をする人間について、いろいろな論証を述べている。
今まで経済学では「損得をばっちり計算できるものが人間」という定義に基づいていろいろな研究がされていたのだが、これでは正しく経済が把握できない、というのが著者の考え方だ。
人間とは奥の深い生き物である。
この記事と同じカテゴリーの記事
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 経済は感情で動く by マッテオ・モッテルリーニ
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.hirotec-k.jp/mt/mt-tb.cgi/819
明治大学卒業後、27歳でヒロテックを起業。パソコン畑一筋。
コメントする