<洋画>MONGOL(モンゴル)
[UP:2008.04.18]
今年度アカデミー賞外国映画賞にノミネートされた作品。
チンギス・ハーンの前半生をを描いたもので、主人公チンギス・ハーンは日本人の浅野忠信が扮している。
アカデミー賞のレッドカーペットを歩く浅野さんの姿を覚えていらっしゃる方も多いと思う。
その映画がいよいよ公開とあって、さっそく見に行った。
全編モンゴル語の映画なのだが、浅野さんはまったく違和感なく感じられるのがすごい。
もともと、モンゴル人と日本人はよーく似ているけど。あれだけのせりふ、覚えるのは本当に大変だっただろう。スタッフも国際的で、ドイツ、カザフスタン、ロシア、モンゴル、中国、韓国、香港、フランス、オーストラリア、オランダ、フィンランド、アメリカなど、様々な国の人が参加しているらしい。
映画は、テムジン(チンギス・ハーン)が9歳、父に連れられて嫁探しの旅をしているところから始まる。
何気なく寄った村で、ポルテと出会い、彼女と婚約する。
父を殺され、部族に見捨てられ、命を狙われて放浪するテムジン。
若き日の彼が困難を乗り越え、モンゴル部族を統一するところまでを描いている。
監督はロシア人。
井上靖の『青き狼』では、自分や息子の出生がトラウマとなり悩むテムジンを描いているが、この作品のテムジンは、そんなことにウダウダ悩んだりしない。父親が誰だろうとポルテの生んだ子は「自分の子」ときっぱり。これって、描き出す監督(作家)の国民性も反映されているのだろうか。
ロシアではチンギス・ハーンは侵略者という扱いだろうに、この作品ではまるで「修験者」のような哲学的な人間に仕上がっている。
まず感動したのは、スクリーンから伝わる迫力。
たくさんのロケを敢行し、戦闘シーンなどは1000人のエキストラを使ったとか。
最近流行りのCG使いまくりじゃないせいだろうか・・・迫力満点。
モンゴル映画ときいて、あまり大きいスケールを期待していなかったが、これはハリウッド映画以上かも。
モンゴル=草原というイメージだったが、実際は岩場とかもたくさんあって、「そーだ、実際のモンゴルもこんな感じなんだろうな」と納得させられたり・・・。
主演の浅野さんも好演だったが、それ以上に印象に残ったのがジャムカ。
テムジンの良き友であり、最後はモンゴル部族のドンを争う立場の最強のライバルでもある。
ジャムカの明るさが作品を盛り上げていたと思うし、人間的な描写ではテムジンよりジャムカのほうが描かれていたような。演技力の差かな?
ただ、ストーリーの深みとしては、ちょっと物足らない部分もあった。
なぜテムジンが大きな部族を率いることができたのか、その資質という部分の掘り下げがない。
途中、神様であるテングリに祈るシーンが何回か出てくるのだが、その度に、テムジン配下が大きくなっており、結局はそこ(神様)が原因か、とも思ってしまう。
井上靖の『青き狼』ファンとしては、人間描写はやっぱ、井上が上かなーと思ってしまうが。
史実はどうだったのか、誰もわからないけどね。
でも、作品全体としては非常にまとまりがあり、ストーリーもわかりやすく、2時間を飽きさせない。
今回はモンゴル部族統一までだったから、続編がでそうな雰囲気。
チンギス・ハーンの本領発揮はこれからだからね。
精神論だけでは語りつくせない、チンギス・ハーンの今後の人生を、続編はどう描くのか、楽しみでもある。
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明治大学卒業後、27歳でヒロテックを起業。パソコン畑一筋。
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