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「みんなの意見」は案外正しい by ジェームズ・スロウィッキー

[UP:2008.02.20]  

この本は2005年に出版(英語版)され、Web2.0関連の本には必ず引用されているような有名な本である。いまさらという感じがしなくもないが、数年を経てもう一度Web2.0を改めて考えてみたくて、手にとってみた。実際に読んでみると、この本はWebだけにとどまらず、経済学でもあり経営学の本でもある。
タイトルは軽妙な調子だが、中身はぎっしり濃く、面白い本である。(このタイトルの翻訳は秀逸!)
みんなの意見は案外正しい  
・2006年1月初版
・角川書店
・定価:1600円+税(286ページ)
amazon.co.jpで見る

■目次抜粋
・集団の知恵
・違いから生まれる違い
・ひと真似は近道
・ばらばらのカケラを1つに集める
・シャル・ウィ・ダンス?
・社会は確かに存在している
などなど

この本では「群集の知恵」についていろいろな学説・実例を引用して実証している。
引用は学者センセイの実験結果が多いのだが、『ヤバい経済学』を読んだときにも思ったが、アメリカの学者さんって本当によく実験しているなあと感心する。
学者さんってものは研究室の中にいて静かに研究しているというイメージだったが、アメリカの学者さんは自分が立てた仮説に対し、学生などを使ってどんどん(時には町に出て)実験を行っているようだ。そのやり方もとてもユニーク。こんなセンセイの授業なら受けてみたいなあと思わせるのだった。

■この本の「ふぅむ」
・単純に一人ひとりの個人を足し上げると群衆が生まれるのではない。群衆とは1つの独立した生命体のような存在である。

・集合的にベストな意思決定は意見の相違や異議から生まれるのであって、決して合意や妥協から生まれてるのではない

・賢い集団の特徴である4つの条件
 意見の多様性、独立性、分散性、集約性

・似た者同士の集団だと、それぞれが持ち込む新しい情報がどんどん減ってしまい、お互いから学べることが少なくなる。新しいメンバーを入れることは、その人に経験も能力も欠けていても、より優れた集団を生み出す力となる。

・組織の問題を一人で解決してくれる専門家を追い求めるのは時間の無駄

・多様性は独立性の確保に不可欠で、多様性がない賢明な集団なんて考えられないのである。

・組織や社会の意思決定プロセスを改善しようと思ったら、人々ができるだけ同時に意思決定する仕組みをつくるべきだ

・問題に近い場所にいる人ほど優れたソリューションを知っているはずだ

・一人の人間が市場全体の活動を監視しなくても、ベストな回答が何かわからなくても、市場がうまく機能することになっている

・天邪鬼がいないところでは、話し合いが行われた結果、集団の判断が前よりもひどい内容になることもある。これは「集団極性化」と呼ばれる現象が原因だ。

・集団極性化はいまだに充分解明されていない現象である。1960年代以降、社会学者たちは、特定の状況下で議論を尽くすことは中庸を生み出さず、むしろ、人々の考えを極端にする様子を記録してきている。

・問題の解決に必要な知識は往々にしてその問題に直面している従業員の頭の中にあるのであって、彼らの上司の頭の中にはない

・(株式市場バブルについて)全員が集団の知恵にタダ乗りするようになると(中略)集団自体の賢さは減じてしまう

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prof.gif明治大学卒業後、27歳でヒロテックを起業。パソコン畑一筋。
自称活字中毒。映画と旅行、美味しい食べ物も大好き。
石川県輪島市生。現在、金沢市在住。両親、ダンナ、息子と5人家族
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