マネジメント革命 by 天外伺朗
[UP:2007.10.24]
本書の著者は、元ソニーの上席常務で、井深 大氏の傍でマネジメントを学び、井深氏引退後のソニーの凋落を体験してきた人である。
「成果主義は企業を滅ぼす」という帯に惹かれて読んでみた。成果主義を導入したIT企業の現場が「ちょっとおかしく」なってしまうという現象をちらほら見かけているからである。
・講談社
・2006年10月初版
・定価:1500円+税(287ページ)
■目次抜粋
・ダメ上司
・創業者井深大氏のマネジメント
・CDの開発と「燃える集団」
・「フロー理論」との出会い
・内発的動機の重要性
・理性が邪魔をする
・「インナーワーク」と「コーチング」
・「やり過ごし」の効用
・自我の力学
・アイデンティティー(自我同一性)の確立
・成熟した自我への道
・意識の成長・進化と社会の進化
・意識の成長・進化の落とし穴
・「長老型マネジメント」のルーツ
・マネジメント・スタイル
・新時代における企業理念
本書後半は精神論っぽくなってとても難しいと感じたが、「フロー理論」や「インナーワーク」のところはとても参考になった。
「フロー」とは集団がもっとも力を発揮する状態のことで、これには学術的な裏づけがあり、恣意的に起こせるらしい。
私もエンジニアとしてフロー状態を体感したことがある。
このときの生産性や創造性といったら独特のものがあり、エンジニアとしてこういう経験をすると「面白くてやめられない」という気持ちになる。私自身、この体験を論文にして「特種情報処理試験」に合格したわけで・・・。
グーグルなんかはいつもフロー状態なんじゃないかと思うけど、これは恣意的に起こしているのか?
■この本の「へぇーー」
・優秀な部下のほとんどは、マネジメントになるとダメ上司になる
・人間でも組織でも、合理性からはみ出した部分は合理的な部分に比べて、はるかに大きく、はるかに大切で、はるかに本質的。それを無視した企業経営は、欠陥商品!
・純粋さが保てたとき、サラリーマンはスーパーマンに変身する
・良い上司の1つの条件が、安心して逆らえる人
・「フロー」とは「無我夢中でわき目もふらずに没頭している状態」
・成果主義を導入した企業では誰も「フロー」に入れない
・指示や反省をしている自分自身を「セルフ1」、それを聞いて実際にプレーしている自分を「セルフ2」と呼び・・・(中略)・・・セルフ1の発言のかなりの部分が、恐れや自己不信から出ている。
最高のプレーができたときはセルフ1が黙っており、「無心」になったときだ。
<ガルウェイの「インナーワーク」から>
・人間の本質であるセルフ2は、はじめから何の問題もなく、物事をすばやく習得して正しく実行する力を持っている。その真実を理解し、セルフ2を全面的に信頼することができれば、すべてがうまくいく
(ガルウェイ)
・現場の答えは現場にある
・「やり過ごし」「尻拭い」という一見、しょうもない現象にこそ、日本企業の本当の強さの秘密がかくされている。
・健全な組織というのは、上司の権威など屁とも思わない部下と、そういう元気のいい部下を頼もしく思う上司から成り立っている
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明治大学卒業後、27歳でヒロテックを起業。パソコン畑一筋。
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